Webサイト制作やプログラミングを学んでいく中で、PHPを動かす環境を整えることは最初の大切なステップです。
HTMLのようにファイルをダブルクリックしてブラウザで開くだけでは動かないのがPHPの特徴。
そこでここでは初心者でもすぐに使える統合環境「XAMPP(ザンプ)」を使って、パソコン上に自分専用の開発環境を構築する方法を解説します。
PHPはどうやって動くの?

PHPは「サーバーサイド言語」と呼ばれる種類のプログラミング言語です。
これは、ブラウザの中ではなく、サーバー上で実行されて結果をブラウザに返すという仕組みになっています。
たとえばHTMLは「ブラウザが直接読む」だけで表示できますが、
PHPは「サーバーが処理してからブラウザに渡す」ため、
そのままダブルクリックしても動作しません。
PHPを動かすには以下のような環境が必要です。
- Webサーバー(Apacheなど)
- PHP本体
- (データを扱う場合は)MySQLなどのデータベース
初心者におすすめ:XAMPPとは?
こうした環境を一つずつインストールするのは少し大変です。
そこで登場するのが、XAMPP(ザンプ)という無料の統合パッケージです。
XAMPPを使えば、次のソフトを一括でセットアップできます。
| ソフト名 | 役割 |
|---|---|
| Apache | PHPを実行するWebサーバー |
| PHP | サーバーサイド言語(今回の主役) |
| MySQL | データベース(後の学習で使用) |
| phpMyAdmin | MySQLを管理するツール |
WindowsでもMacでも利用でき、設定もほぼ共通なので、初めてPHPを学ぶ方にとって最も導入しやすいツールです。
XAMPPのインストール手順(Windows・Mac共通)

- 公式サイトにアクセス
https://www.apachefriends.org/index.html - OSに合ったバージョンを選択
「Windows版」または「macOS版」の「XAMPP for PHP 8.x.x」をクリック。 - インストーラをダウンロード&実行
画面の指示に従って「Next」を押して進めるだけでOK。
インストール先(例:C:\xampp)は変更しなくて構いません。 - インストール完了後、コントロールパネルを起動
「XAMPP Control Panel」が表示されたら準備完了です。
初期設定と動作確認
- Apacheを起動
コントロールパネルの「Apache」欄にある「Start」ボタンをクリック。
背景が「緑」になれば起動中です。 - ブラウザで確認
ブラウザのアドレスバーに次を入力:
http://localhost/
→ 「XAMPPへようこそ」のページが表示されれば成功!
これで、PHPが動作するローカルサーバーが整いました
PHPを実行してみよう!
▶ ファイルの保存場所
XAMPPで作成したWebページ(PHPファイル)は、次のフォルダに保存します。
- Windows:
C:\xampp\htdocs\ - Mac:
/Applications/XAMPP/htdocs/
▶ 実行方法の例
- 上記フォルダ内に「
test.php」というファイルを作成 - 中に次のように書きます
<?php echo "PHPが動きました!"; ?>
- ブラウザで以下のURLを入力
👉http://localhost/test.php
ブラウザに「PHPが動きました!」と表示されれば成功です。
よくあるトラブルと解決方法
| 症状 | 原因と対処法 |
|---|---|
| Apacheが起動しない | 他のアプリ(Skype・Teamsなど)がポート80を使用している可能性があります。 → 競合ソフトを終了するか、XAMPP設定でポート番号を変更。 |
| MySQLが起動しない/壊れたように見える | 設定ファイル(my.ini)やデータフォルダ(mysql/data)が破損している可能性があります。→ まずは「XAMPP Control Panel」でMySQLの Stop → Start を試し、それでも起動しない場合は「Logs」からエラーメッセージを確認。 → ibdata1 や ib_logfile0 の破損が原因の場合、バックアップ(/data_backup/)から復元するか、XAMPPを再インストールして再構築する方法もあります。※ データベースが重要な場合は、 htdocs と mysql/data フォルダを必ずバックアップしてから操作してください。 |
| 403 Forbiddenが出る(Mac) | フォルダのアクセス権限に問題がある場合があります。 → ターミナルで権限変更(chmod)を行うか、フォルダの所有者を確認しましょう。 |
| ブラウザで何も表示されない | PHPファイルを htdocs 以外の場所に保存していないか確認。 |
MySQLが壊れたときの安全な復旧手順(簡易版)
- XAMPPを完全に停止(Apache・MySQLともにStop)
C:\xampp\mysql\data(または/Applications/XAMPP/xamppfiles/var/mysql)フォルダをバックアップmysql_error.logの内容を確認(Control Panel → Logs → MySQL)- 必要に応じて
ibdata1のみ削除 → MySQLを再起動(データベース再構築) - phpMyAdminで接続確認 → 以前のバックアップをインポート
自分のPCをサーバーにしよう

XAMPPを使えば、自分のパソコンを簡単に「ミニサーバー」に変えることができます。
これで、PHPの基本文法を試したり、フォームやデータベース連携なども学べるようになります。
今後は次のようなステップで学習を進めていきましょう。
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