Webデザイナーは「作る力」と「伝える力」の両方が必要
「Webデザイナーになりたいけど、どんな勉強から始めればいいの？」
「デザインセンスに自信がないけど、なれるのかな？」
そんな質問をよく受けます。
実は、Webデザイナーに必要なのはセンスよりも「順序よく学ぶ力」です。
HTMLやCSSなどの技術は後からいくらでも身につけられます。
大切なのは、デザインと技術をバランスよく学び、現場で使える形にすること。
これからWebデザイナーを目指す方に向けて、「どんなスキルを、どんな順番で学べばよいか」をステップ形式で紹介します。
ステップ1：Webデザイナーの仕事内容を理解しよう
まずは、「Webデザイナーが実際に何をしている職業なのか」を明確にしておきましょう。
主な仕事の流れ
- クライアントからヒアリング（目的やターゲットを確認）
- サイト構成・ワイヤーフレームの作成
- FigmaやPhotoshopでデザインカンプを作成
- HTML/CSSでコーディング
- WordPressなどのCMSでサイトを構築・更新
- 公開後の修正や運用サポート
ポイント：Webデザイナーは「見た目を作る人」ではなく、「情報を整理して、ユーザーに伝わる形にデザインする人」です。
ステップ2：基礎スキルを身につけよう（デザイン × コーディング）
Webデザイナーに必要なスキルは、大きく分けて次の2種類です。
| 分野 | 内容 | 使用ツール・言語 |
|---|---|---|
| デザインスキル | 配色・レイアウト・タイポグラフィなどの基本知識 | Figma / Photoshop / Illustrator |
| コーディングスキル | デザインを実際にWeb上で再現するための技術 | HTML / CSS / JavaScript / PHP |
ステップ3：ツールを使って効率的にデザインする
Webデザインでは、手作業ではなくデザインツールを活用するのが主流です。
Figma（フィグマ）
無料で使えるクラウド型デザインツール。
デザインカンプ（完成イメージ）を作ったり、チームで共同編集ができます。
職業訓練でもFigmaを導入している学校が増えています。
Visual Studio Code（VS Code）
コードを書くための無料エディタ。
HTML・CSS・JavaScriptを入力しながら、ブラウザでリアルタイムにプレビューできます。
初心者でも扱いやすく、Webtrainingでも標準ツールとして紹介しています。
Adobe Photoshop / Illustrator
画像編集やロゴ制作で使われます。
Webデザイナーは「全部使いこなす」必要はありませんが、
バナーやサムネイルを作れる程度の知識があると仕事の幅が広がります。
ステップ4：レスポンシブデザインを学ぼう（スマホ対応）
現在のWebサイトは、パソコンよりスマホ閲覧が主流です。
そのため、画面幅に応じてレイアウトを切り替える「レスポンシブデザイン」が必須スキル。
CSSのメディアクエリを使って、
@media (max-width: 768px) {
/* スマホ用デザイン */
}
のようにスタイルを切り替えられるようにしましょう。
「スマホで崩れないサイトを作れる」だけで、初心者から一歩抜け出せます。
コーディングに苦手意識がある方も、ここで一度しっかり練習しておきましょう。
ステップ5：WordPressを学んで「動くサイト」を作る
静的サイトの次のステップは「動的サイト」です。
WordPressを使うと、ブログ機能や更新管理ができるサイトを作れます。
WordPressで学ぶポイント
- テンプレートの仕組み（header.php / footer.php など）
- 投稿ページと固定ページの違い
- 管理画面からの更新方法
- functions.php でのカスタマイズ
WordPressを学ぶと、企業案件・ポートフォリオ制作・就職活動のどれにも役立ちます。
コーディングスキルとデザインスキルを掛け合わせることで、
「Webデザイナー兼コーダー」として実務に強い人材になれます。
ステップ6：ポートフォリオサイトを作ろう
ポートフォリオとは、「自分の作品集」です。
就職や案件応募では、このポートフォリオが評価の中心になります。
作るときのポイント
- シンプルで見やすく（スマホ対応も必須）
- 作品にコメントを添える（目的・工夫点・使用スキル）
- 自分の成長を伝える構成にする
ステップ7：案件や仕事に挑戦してみよう
スキルがある程度身についたら、小さな案件から挑戦してみましょう。
案件獲得の方法
- クラウドソーシング（CrowdWorks / ココナラなど）
- ポートフォリオ経由での直接依頼
- SNSやブログで実績を発信
最初は「小さな仕事でも確実に仕上げる」ことが大切です。
誠実に納品を重ねることで、次の仕事につながります。
- 納期を守る
- 修正依頼に丁寧に対応する
- 提案や改善の意識を持つ
Webデザイナーは「技術職」であると同時に、「信頼関係を築く仕事」でもあります。
ステップ8：キャリアの広がり方（就職・副業・独立）
Webデザイナーとして経験を積むと、さまざまな方向にキャリアが広がります。
| キャリアパス | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 制作会社勤務 | チームでサイト制作に携わる | 実務経験を積みたい人 |
| インハウスデザイナー | 企業の自社サイトを運用・改善 | 安定した環境で働きたい人 |
| フリーランス | 案件ごとに受注して働く | 自由に働きたい人 |
| 講師・教育職 | 学習者に教える立場になる | 教えることが好きな人 |
最初からフリーランスを目指す方も多いですが、まずは制作会社やスクールで現場経験を積むのが安心です。
一度「実案件」を経験すると、独立後のトラブル対応力が大きく変わります
Webデザイナーへの道は「順番」と「継続」
Webデザイナーになるための道は、決して特別なものではありません。
正しい順番で学び、少しずつ積み重ねていけば、誰でも到達できます。
- HTML / CSSで基礎をつくる
- Figmaでデザインを組み立てる
- WordPressで動かす
- ポートフォリオを作る
- 小さな案件から実績を積む
そして何より大切なのは「継続すること」。
たとえ1日10分でも、毎日VS Codeを開き、少しずつ書いていくことが成長の近道です。
Webデザインは、学ぶほどに楽しくなる世界。あなたの“作る力”が、きっと誰かの“伝える力”になります。